きもの生活のススメ

の〜んびり、きものの映画鑑賞

これは、いまっぺが見た映画の、個人的な感想です。
近所のビデオ屋さんで借りたものですから、きっとどこにでもあるんじゃないかと思います。

「細雪」だけは、どこを探しても見つけられなくて、ビデオ屋さんに聞いたところなんと絶版になっているとか。たま〜に、そのまま残っているビデオ屋さんもあるそうです。
でも、いまっぺはそれこそあちこち探し回ったけど、ダメだったのでした。
「細雪」!!見てないけどオススメです。あああ。

「海は見ていた」
監督・熊井啓/脚本・黒澤明/出演・清水美砂、遠野凪子、永瀬正敏、吉岡秀隆

原作は、山本周五郎の「なんの花か薫る」と「つゆのひぬま」。黒澤明監督の最後に撮りたかった作品は、心あたたまるラブストーリーだったのか〜。粋な江戸っ子が通う遊里での物語。人って弱いな、と思ったり、人って強いんだ!って思ったり。女心は切ない。2002年夏公開された映画です。わたしは雷雨の中見にいったので、ずっとカミナリの音が映画館に響いていて、映画の中のカミナリなのか、本物なのか、ビミョー・・・ビデオになったらもう一回見て、確認したいところです。

「おもちゃ」
監督・深作欣二/原作・新藤兼人/出演・宮本真希、富司純子、南果歩、喜多嶋舞

貧しい西陣の機織り職人の娘・時子が芸者置屋で下働きをしながら、やがて「おもちゃ」という名の舞妓となり、水揚げされるまでを描いた映画。水揚げ、というのは、スポンサーになってくれる男性に、処女を捧げること。主演は新人の宮本真希。この映画で、'98年東京国際映画祭で最優秀主演女優賞を獲得しました。新人とは思えない熱演ぶりが高く評価されたとのこと。下働きしているときの時子の、袖が短めの絣に、半幅帯をしめて、花もようの前掛けをしている姿がとってもかわいらしいです。からころ心地よく響く下駄の音も、時子らしさが表現されていると思います。ふだんはこうしてこまめに働いて、踊りのおけいこのときには白地のきものに赤い名古屋帯をしめたりも。舞妓になりたかったわけではなかった時子だけに、その芯の強さというのはかわいそうなくらい・・・。でも、晴れて舞妓になったときのその登場の瞬間は必見!衣裳も見事としかいいようがありません。京都へ行く前にぜひ見たい映画です。

ページトップへ戻る

「時雨の記」
原作・中里恒子/監督・澤井信一郎/出演・吉永小百合、渡哲也、林隆三、佐藤友美、岩崎加根子、原田龍二、天宮良

「大人の恋」に全国の男女が酔いしれた作品。男・壬生(56歳)、女・多江(48歳)……この二人が偶然に再会し、恋の物語がはじまります。人生の秋にさしかかった二人が、思いがけない出逢いの中で、ためらい、ゆらぎながら愛を深めていくこの作品、力のある役者だけの少数精鋭という感じなので、とても見ていて気持ちのいい映画です。日本版「マディソン郡の橋」とも言われた。でも、マディソンなんかよりも、ずっといい。一緒にしないで、って感じ。私は原作ですっかりはまっていたので、正直映画を見るのはちょっといやだな、と思っていたのでした。この映画は母と伯母と三人で見に行ったのですが、こんなに原作に忠実に作れるとは…と感心したものです。注目したいのは、普段着のきもの。茶系の格子柄の紬や、紺の縦縞の紬、オレンジと臙脂の縦縞の紬。かなりかなりさりげないのですが、自然でステキです!!ちょっとおでかけとなると、濃い紫の地に白い飛び柄の小紋を着てレストランに行ったりします。京都の紅葉を見に行くシーンでは、白っぽい紬に赤紫の名古屋帯をしめていました。山中紅葉で彩られているので、かえって白っぽい紬のほうが映えるんですね〜!!!多江のきもの姿は、清潔感のある着こなしで、こういう女性が本当に近所に住んでいそうな感じです。こんなおばさんを目指して、いい年を重ねていきたいものです。

「人でなしの恋」
原作・江戸川乱歩/監督・脚本・松浦雅子/出演・羽田美智子、阿部寛、竹中直人、岡田英次、加藤治子、吉村実子

昭和5年、美術学校に通う京子は、講師である画家の門野に密かに恋心を抱きます。その思いが実り、二人は結婚することに。大きな屋敷に住み、幸せな結婚生活をはじめたのですが、ある日、京子は門野が寝床を抜け出していたことに気付きます。人物画は描かないと言っていたはずの門野が隠していた美女の人物画を発見してしまった京子は、浮気されていると悲しみ・・・ここからは見てのお楽しみ。この作品に登場するきものと帯の組み合わせは、どれもステキ!!初々しい羽田美智子のきものも、落ち葉の中を歩く加藤治子のきものも。コーディネートのお手本にもなる映画です。

「二十四の瞳」
監督・朝間義隆/原作・壺井栄/脚本・木下恵介/出演・田中裕子、武田鉄也、佐々木すみ江、左時枝、友里千賀子、川野太郎

瀬戸内海の美しい自然を背景に、一人の女教師と12人の教え子たちとの心の交流を描いた名作です。小豆島の分教場に赴任してきた女学校出身の大石久子先生は、子どもたちに「小石先生」とあだ名をつけられ、きらきらした二十四の瞳に囲まれます。時代の悲劇とも言うべき昭和初期から終戦までの約20年間を描いた作品です。普段着のきものも、さりげなくてステキ。ああ、この時代はこういう羽織を着ていたんだな〜と、参考にさせてもらいました。この時代は銘仙が多かったみたいです。すてきな色、柄の銘仙がたくさん出てきます。

「藏」
原作・宮尾登美子/監督・降旗康男/出演・浅野ゆう子、一色紗英、松方弘樹、夏川結衣、黒木瞳、蟹江敬三

新潟の造り酒屋に生まれた盲目の少女・烈(れつ)が、盲目というハンデを越えて、由緒ある蔵を守ろうと立ち向かう姿を描いた作品です。責任感あふれる長女らしい表情と、苦しく切ない恋する乙女の表情を、一色紗英が好演しています。烈の盲目なのに、蔵を見学していろんなことを学ぼうとする姿勢に、心うたれます。浅野ゆう子が着ていたブルーの紬と、一色紗英が着ていた紺地に赤白緑の竹のもようの紬が特にステキでした。

ページトップへ戻る

「橋のない川」
原作・住井すゑ/監督・東陽一/出演・大谷直子、中村玉緒、杉本哲太、渡部篤郎、萩原聖人、高岡早紀、寺田農

明治41年、奈良の小森。畑中誠太郎、孝二の兄弟は、教師や級友からいじめられていました。それというのも、小森は差別部落だったのです。傷つきながらもたくましく成長した兄弟たちは水平社運動に加わり、差別と社会に挑んでゆきます。人間の豊かさと勇気のすばらしさを問う、感動の名作です。幼い兄弟がお祝いにきものを作ってもらい、よろこんでいる姿はとても愛らしく、男の子のきもの姿ってこんなにかわいかったんだ!と感心してしまいました。また、途中で結婚のシーンが出てきます。こんなに強い花嫁を、私は見たことがありません。

「夢千代日記」
監督・浦山桐郎/脚本・早坂暁/出演・吉永小百合、北大路欣也、田中好子、名取裕子、樹木希林、小川真由美

被爆二世として白血病になってしまい、あと三年の命と宣告されてしまった夢千代が、死におびえながらも情熱的に生きる姿を描いた作品です。亡くなった母が残した山陰の小さな温泉町にある芸者置屋を、女手一つで切り盛りする夢千代。その中でさまざまな人間模様が物語を彩っていきます。切なくも美しい日記です。病院で診察を受ける夢千代は、半幅帯に貝の口。ささっと結ぶ様子がいかにも着慣れている、という感じ。後ろ手で結ぶのに、さすが!形もとってもきれいでした。

「寺内貫太郎一家」
原作・脚本・向田邦子/プロデューサー・久世光彦/出演・小林亜星、加藤治子、西城秀樹、梶芽衣子、樹木希林、浅田美代子

日本中が支持したテレビドラマ「寺内貫太郎一家」は、頑固者の父をはじめとする個性あふれる寺内一家のホームコメディ。原作者であり脚本家でもあった向田邦子の、代表的な作品です。昭和49年にはテレビ大賞を受賞。愛すべき父の姿、愛すべき家族の姿が、笑いと涙の間に表現されています。20年以上たっても色あせることのない感動が、向田ドラマの真骨頂と言われるゆえんかもしれません。加藤治子の白いかっぽう着姿も、樹木希林の帯の締め方(歌いながら帯をぶんぶん振り回してしめる)も、ひとつひとつに楽しめるから、ホントに目が離せません。娘が結婚するシーンでは、わかっちゃいるけど、ついつい大泣きもらい泣き、してしまうんですよね・・・。

「鬼龍院花子の生涯」
原作・宮尾登美子/監督・五社英雄/出演・夏目雅子、仲代達也、岩下志麻、仙道敦子、佳那晃子

大正から昭和にかけての時代を背景に、高知・土佐の侠客・鬼龍院政五郎と、これをとりまく女たちの生き方を通して、男の姿、生き様をダイナミックに描いた大作。女の強さやけなげさにも、激しく鮮やかに迫っています。父親の強さ、そして弱さを、仲代達也が目で、背中で表現しています。主演としてすばらしい器量をみせた夏目雅子は、侠客の親分に養女として育てられる松恵役。きものの着こなしは、親分の妻役である岩下志麻と対称的。女学生姿やふだんの前掛け姿などが、とても自然です。夏のシーンがいくつも出てきますので、帯とのコーディネートや小物使いをぜひ見てみてください。

「序の舞」
原作・宮尾登美子/監督・中島貞夫/出演・名取裕子、風間杜夫、三田村邦彦、水沢アキ、小林綾子、菅井きん、三田佳子

明治の世に、古い習慣を大切にする京都が舞台。未婚の母として女流作家として強く生き抜いた島村松翠(津也)を主人公に、母・勢似との愛憎、そして師匠、恩師、画塾生など三人の男たちと関わりながら、日本画家として大成していく松翠の姿を描いています。京都が舞台とあって、きものも家具もすばらしい!母の強さ、女の強さをしみじみ思う作品です。

ページトップへ戻る